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脳動静脈奇形に対する治療としては、大きく分けて@手術による摘出、A定位放射線外科治療(ガンマナイフ等)といわれる放射線照射、B血管内塞栓術、があります。現在のところ根治的治療として確立しているのは@とAです。Bは@とAの治療をやりやすくするために補助的に行われることが多いです。
手術による脳動静脈奇形の摘出
出血の予防を目的とした治療としては、もっとも確実な治療手段といえるでしょう。脳動静脈奇形を直視下に切除するため、動静脈奇形自体からの出血を直接的に抑えることができるといった最大の利点があり、現在のところ治療の第一選択といってよいでしょう。
しかしながら、大きな病変や奇形よりの流出静脈が脳の深部に存在している場合には脳動静脈奇形を摘出した後、周辺の脳から術後出血を起こすことがあります。また、手足を動かしたり、言葉を話す等、重要な機能をつかさどる役割のある脳に動静脈奇形が存在していた場合には、手術で摘出した後に、麻痺や失語等の合併症を伴うことがしばしばあり得ます。
手術による安全な治療が可能かどうかについては、患者の年齢と現在の状態、脳動静脈奇形の大きさ、動静脈奇形が存在している部位が機能をつかさどるかどうか、脳の深部に流出動脈を認めていないかどうか等を充分検討した上で、判断する必要があります。
ガンマナイフによる放射線治療
近年、低線量の放射線の細かいビームを多方向から同時に照射することで、虫眼鏡の焦点の様に病変部に集中させ、一回で大量の放射線を照射することが可能となり、多くの頭蓋内疾患の治療に応用されています。この方法では、従来の放射線治療に比べ、線量の集中度が極めて高く、周囲組織への悪影響を最小限に抑えられるため、正確かつ選択的に標的となる病巣を破壊することが可能です。開頭こそしないものの、目標部位の破壊が可能なため、radiosurgery(放射線を用いた手術、定位放射線外科治療)と呼ばれています。ガンマナイフは最も早くに確立された定位放射線治療を行う装置のひとつでです。
ガンマナイフによるAVMの消失は、血管内皮及び内皮下組織の進行性増殖が惹起され、AVM内腔の閉塞を来たすことによるといわれています。これには通常、照射後2年から3年を要し、AVMの完全治癒率は3年後で80%程度です。消失率に影響する因子としては、AVM内部の血流が遅いもの、体積が小さいものが有為に高く、また、小児例は成人例に比し比較的早期に消失が確認されています。AVMに対するガンマナイフは、2泊3日の入院で、局所麻酔のみで行うことができるため、小さな子供から高齢者まで安全に治療が可能で、最も体への負担が少なくかつ有効な治療法のひとつといえます。しかしながら、治癒待機中に出血をおこす可能性がある等、治療の適応については充分な検討を必要とします。治療の適応は手術に熟練した脳神経外科医の専門医とガンマナイフの専門医とが各症例ごとに検討を重ねた上で、患者のこれまでの治療経過、現在の神経症状、年齢、社会的背景等を充分考慮した上で治療方針を決定することが重要です。
血管内塞栓術
脳梗塞の診断の項目で述べた脳血管撮影の検査手技と同様に、実際に脳の血管内にカテーテルといわれる特別な細い管を挿入し、脳動静脈奇形の流入動脈までカテーテルを進めてポリビニールアルコールや細い絹糸などの塞栓物質をつめて、奇形への血流を遮断する方法です。この治療のみで動静脈奇形が完全に閉塞させられる可能性は少なく、一旦閉塞させても長期的には再開通する可能性が高いため、現在では単独で治療に用いられることはほとんどなく、大きな脳動静脈奇形の摘出手術前に、病変への血流を少なくして、出血を抑え手術をし易くしたり、手術の合併症を減らすために用いられる。一般に合併症は少なく、大部分が一過性ですが、塞栓術を契機に動静脈奇形からの出血を来すこともある。
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