甲状腺ホルモン
(サイロイド、チラージン、サイロニン)
補充療法

甲状腺とは、頚部の前面にある小さな蝶形の内分泌臓器で、ここから分泌されるのが、甲状腺ホルモンです。このホルモンは、エネルギー代謝量や人間の体の様々な臓器の働きを亢進させる効果があります。つまり、甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、全身倦怠感、全身の冷感、皮膚乾燥、便秘、記憶力の低下、肌あれ等の症状が認められるようになります。

この甲状腺ホルモンは、脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により、合成や分泌が調節されています。甲状腺自体の内分泌機能の低下や脳下垂体の機能が低下することで、甲状腺ホルモンの働きも低下することがあります。

甲状腺ホルモン分泌能低下による症状

  • ・ 全身倦怠感
  • ・ 全身の冷感、低体温
  • ・ 皮膚の乾燥、肌あれ
  • ・ 徐脈(心拍数の低下)
  • ・ 手足のむくみ
  • ・ 便秘
  • ・ 記憶力の低下
  • ・ 脂肪代謝低下―高コレステロール血症
  • ・ 活力の減退、動作緩慢

甲状腺ホルモンの補充療法は、適切な適応、かつ投与量が守られている限り、障害はほとんどないといわれています。甲状腺の機能低下があきらかでない一般の人が、このホルモンの補充療法を行うことで、全身倦怠感や四肢の冷感の改善や体脂肪の減少等、短期的には目に見えたすぐれた効果を得られるでしょう。しかしながら、他のホルモンに比べてコントロールが難しく、長期的には副作用をきたす可能性があることから、補充療法の開始に際し、十分な検査に基づいた適応の検討と、補充療法施行中も引き続き定期的な経過観察が必須となります。